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statement



東京オベリスク - case02:換気所(首都高速道路) -


高速道路の地下化に伴い、地下道路内の空調や大気汚染問題解消のための設備として


換気所が東京の随所に設置されている。


これらは周辺環境に順応するよう都市景観に配慮した設計がなされてはいるが、


その機能的役割ゆえ特異な形状を成した建造物であった。



ところが、一般的にこれらが換気所であるという認識はなく、その存在さえも認知されてはいない。


そのため、諸外国に比べて統一感のない景観をした東京は「醜悪な都市景観」と揶揄される。


それは、個々の建造物が周囲の景観に配慮せず、個性的であろうとしているからではないのであろうか。



しかし、統一性を欠いた都市であることは、一方で東京が多様性に満ちた自由な都市であることにほかならない。


このような都市環境下において、あえて存在感を示さないよう周囲の景観に配慮しながらも、


都市の一部として重要な役割を担う換気所は、その地において稀有な存在に見えた。



混沌とした現代社会の中で、人々は個性を出すことに神経を注いでいる。


ところが、個性を出そうとするあまり、周囲との不調和が生じていることに気付いてはいない。


あえて主張することなく周囲に配慮しながらも、社会にとって必要不可欠な存在である換気所のような人間に、私はなりたい。